今回はスポーツをしている子供を持つ親に知っておいてほしいお話を書きます。

何年か前に「根性論」はよくないと話題になりましたことを覚えているでしょうか。今では根性論は指導の上で否定的になっております。これは仕事でも家庭でも同じことです。親や上司に根性論を押し付けられるとスタッフや子供は疲弊してしまいますよね。

私自身も根性が全然見られないのは良くはないと思いますが、指導もせずに指導者や上司、親に根性論をぶつけられたらたまったものではありません！

押し付けられた側からしたらわからないものを根性論などで片づけられても困ります。
それよりも「こうした方が上手くいく」などのアドバイスを与える事が大事だと思います。それを聞く耳もたないのであれば自分の話を聞かせる威厳もないのか、受け手の問題かもしれません。

根性論話になってしまいましたが、最近は子供の運動などで親も熱心に指導する姿を見かけます。
しかし、本当にその指導があっているのか疑問に持ったこともあるのではないでしょうか。

練習メニューなどをしるした書籍やネットなど多く出回っているので、メニューに関してはそちらにお任せして基本的な事であり、我々カラダのセラピストらしいアドバイスとして神経、筋肉の発達段階における練習内容のアドバイスをしたいと思います。

人間は20代を境に身体が下降気味になると言われます。
その20代、特に20歳までの成長段階では様々な組織が成長していくのですが、器官ごとに成長が著しい時期が異なります。その時期にどのような練習メニューを行うかでその後の能力などに影響してくるので参考にしていただけると幸いです。

発育を現わす図で「スキャモンの発育曲線」とゆう曲線図があります。これはリンパ系、神経系、生殖型、一般型に分類し、年齢による成長を示した曲線図になります。20歳を100％ととした発育状況で表しております

個々を説明すると

□　一般型　　

一般型は伸長・体重・筋肉・骨などの成長を現わしており、視覚的にもわかる成長です。12歳くらいからグーンと上がっているのがわかります。つまりは中学生くらから筋骨格などがしっかりしてくるということです。

□　生殖型　　　

生殖型は男女の性に関係し、生殖器や乳房などの発育の成長線を現わしています。
いわゆる思春期といわれる15～16歳くらいから曲線がグーンと伸びています。

□　神経型　　

神経型は脳の発達などに影響しており、脳から続く脊髄神経や感覚神経などの成長を現わしています。
これは視覚、聴覚、嗅覚なども含めており、早い段階でかなりの成長がみられ、中学生ころには大人と変わらないレベルまで達します。

□　リンパ型　

リンパ型は簡単に言うと免疫系です。乳児から幼児期にはよく風邪をひいたり、体調を崩したりしますが小学生頃になると免疫力が急上昇して抵抗力がついてきます。これは免疫に関係するリンパが胸腺で多くつくられるのですが、この胸腺の発達が著しいのが小学生から思春期にかけてになります。

ここから読み取れるのは子供のスポーツに限らず教育で重要な事は神経系の成長が著しい時期に神経系を鍛えることが大事になります。0歳ー6歳までの神経発達が著しい時期を神経発達のゴールデンタイムとよばれており、より多くの刺激を与えることが重要になります。この時期に色々なスポーツや動きに触れさせることが俗にいう「運動神経がよくなる」につながるのです。

逆に小学生のや中学生の一般型が発達しない時期に筋トレをさせるなどは効率も悪くお勧めできないメニューになります。＊自重のトレーニングや体幹トレーニング(器具を使わない)は成長ホルモンの分泌を促すので年齢に合わせたトレーニングは可。

サッカーの久保建英選手のお父様は久保君が幼いころはよくアスレチックに連れて行ったそうです。サッカーだけに偏ってしまわず色々な事をすることで結果的にサッカーにもよい影響を与えていることになっているんですね！

データ的にも神経系を刺激させることが大事なのもわかりましたが、やはり大事なのは楽しませることです。これが親の一番の使命なのではないでしょうか。楽しくないものは成長も遅くなりますでしょうし、もし親が意識して楽しませようとしても楽しめない子供さんでしたら他の楽しめることを見つけてあげる、導いてあげるのも大事だと思います。

とにかく楽しく神経を刺激してあげること！これを意識してみてはいかがでしょうか！