東洋医学とは何か。まずはここから説明します。東洋医学での健康の考え方は季節や環境の変化などに自己治癒力を用いてバランスをとれている状態を健康としています。我々鍼灸師や漢方を扱う医師、薬剤師などは「陰陽五行」と呼ばれる考えを元に望診・聞診・問診・切診などをおこないどこが消耗しているのかを判断し、バランスがとれるように処方していくのです。

西洋医学と東洋医学の考え方の違いを車に例えて簡単に説明すると、西洋医学は車のエンジンが調子悪いとしたら故障したエンジン部分を治す、東洋医学は故障したエンジンの原因を探して治す、オイルの不足が原因であればオイルを補充することでエンジンに負担をかけないようにするのです。
なので原因部分を治す東洋医学はすぐに変化を感じないかもしれません。当院でも翌日の方が楽になるなんてこともおっしゃる方もいらっしゃいます。

少し戻りますが陰陽五行とは中国からきた思想で人間にそなわる「肝・心・脾・肺・腎」の五臓は自然界に存在する「木・火・土・金・水」と関連すると言われています。これらは単一で意味をもつのではなく相互に関連しあっているのです。「木」が燃えると「火」がおこり、燃えたものは「土」となり土の中には「金」などの鉱物が産生され、鉱脈には「水」が流れ、水があれば「木」が育ちます。つまりそれぞれが健全に存在することで助け合うループが形成されているのです。これと五臓は同じと考えどこかが弱ると他にも影響し、どこかが強く暴走すると他の機能は弱るなどの現象が起こってしまいます。鍼灸・漢方ではこのバランスをとることで健康を維持することを狙っています。

ではどこが病んでいるのかを判断するにはどこをみているのか？
それは「問診・聞診・望診・切診」です。問診はおわかりだと思いますが、話を聞いてどこが不調なのかを問うことです。聞診は声の変調などから異常を見つけ、望診は外観をみること、切診は触れてみて異常を見つけることです。
ここで登場するのが「五行色体表」であります。例えば最近怒りっぽくなった方がいらっしゃるとします。他に症状を聞くと目が疲れやすい、すっぱいものを好むなどがある場合表の青い項目の「木」をたどると「五官」に「目」とあり「五志」に「怒」、「五味」に「酸」と書かれています。このことからこの方は「肝」の病だと判断します。また夏には「心」が消耗しやすくなります。赤い項目の「火」をたどると「五季」「五悪」に「夏」「熱」とあります。夏は熱さで水分が奪われ「心」の消耗をしやすくなります。心が消耗すると赤ら顔になり憂いやすくなったりします。

このように見た目や症状からどこが負担を用いられているか判断するのがこの「五行色体表」なのです。
すごく面白いですよね！自分も学生の時この五行色体表が好きでよく覚えていました。
皆様もこれを参考にヒトをみてみると面白いかもしれませんよ！

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